保護犬だった4歳のトイプードルのプーちゃん。我が家に来て、3ヵ月半がたちました。
最初はお散歩に行っても、1歩もあるくことができませんでした。なぜなら、お散歩に行ったことがなかったからです。
プーちゃんは、繁殖犬でした。ブリーダー(繁殖家)のところで、お産を2回したリタイア犬です。
何回も何回もお産をさせると、母犬の体はボロボロになってしまいます。プーちゃんは、お産2回で引退することができました。幸運だったかもしれません。
保護団体を通じて、愛子はこの8月にプーちゃんの里親になりました。
里親になった時のお話はこちらです⇒保護犬トイプードルの里親になりました!ペットショップで犬を買うその前に考えて欲しいこととは?
おとなしかったプーちゃん。でも本当は・・・!?
うちに来た時、プーちゃんはとってもおとなしかったです。
無駄吠えなし
要求吠えなし
インターホンなどにも吠えない
いたずらなし
耳掃除・ブラッシングなどのお手入れを嫌がらない
夜はケージでひとりでおとなしく眠る
家族全員にすぐになついた
本当にまったくというほど、手がかかりませんでした。これは、ブリーダーさんや保護団体でのしつけのおかげもあったと思います。愛子の実家の犬とは、大違い(笑)(犬も子供と同じように、比較してはいけませんね^^)
洋服の着替えや、何をやってもされるがまま。「なんてよい子なんだろう!」と愛子は感心していました。
3ヵ月半たった今も、それは変わっていません。でも今になって思うのは、やっぱりプーちゃん緊張していたのではないかということ。それから気を遣っていた。怖かった。
今は「お耳の掃除するよー。」と言うと、ときどきすーっと向こうへ歩いて行ってしまったりします(笑)やっぱり本当は耳掃除、あんまり好きじゃないらしい。
地獄の3ヵ月
愛子は自分のことを、大の犬好きだと思っていました。実家でも犬を飼っていましたし、結婚してからも時々実家の犬を預かっていました。犬を飼うことに自信があったのです。
でもよく考えてみれば、自分が主の飼い主となって犬を飼うのは初めてでした。よく「犬を飼うのは、子ども1人分ぐらい大変!」と聞きます。でも、愛子は大丈夫だと思っていたのです。
しかし・・・この3ヵ月、愛子はープーちゃんを飼うことに何度もくじけそうになりました。何度も保護団体にプーちゃんを返そうかと思いました。
自傷行為?
うちに来てしばらくしてから、プーちゃんはしきりに体をかいたり、しっぽを噛んだり、体の毛をむしって食べたりするようになりました。ひどい時は、血が出るまでしてしまいます。
アレルギーもあるのかもしれません。でも抱っこをすると、丸くなって眠り、ぴたりとおさまります。やはり精神的なものもあるようでした。保護団体の方に「いっぱい、ヨシヨシしてあげてください」と言われました。
それからです。抱っこ、抱っこ、抱っこ・・・抱っこの嵐です。抱っこしていれば掻かない。下ろすと掻く。愛子もこうなると、抱っこしないわけにはいきません。
「抱っこ」それってすごくかわいいですよね。最初はかわいかったのです。でもずーっと抱っこって・・・。次第に、辛くなってきました。
人間の子育てでも、「抱っこ抱っこ」の時期もありますよね。それもかわいいけれど、辛いです。抱っこしてると、ご飯を作ることもできません。体重が9kg超えてくると、肉体的にも大変です。でも人間の赤ちゃんは、それが永遠に続くわけではありません。やがて「抱っこ期」は終わることがわかっています。
プーちゃんの場合、それが永遠に続くかのように思われました。体重は痩せていたので2.5kgと軽かったのがせめてもの救いでした。
出かけるときも、連れて行く。あるいは出かけられない。ずっと抱っこです。膝の上で丸くなって眠っている時は立ち上がることもできず、家族に「あれ、取って」「これ、して」と指図して座ったままでいました。リュック型のキャリーバッグに入れて、背負って家事をしていたこともありました。
プーちゃんが来たことによって、愛子の生活が変わりました。すべてがプーちゃん中心の生活です。「せっかく子供たちが大きくなって、やっと少し自分の時間が持てるようになったのに、なんで犬なんか飼っちゃったんだろう」とまで思ってしまうようになってしまいました。恥ずかしながら、何度も泣きました(´;ω;`)
ドッグフードをグレインフリー(穀物不使用)のものに変えてみたり、食器が悪いのかもと食器を変えてみたり、試行錯誤の毎日でした。
うまくいかないトイレトレーニングも、イライラの種でした。トイレトレーニングについては、長くなるのでまたあらためて書きます。
プーちゃんのトイレトレーニングのお話はコチラです⇒犬のトイレトレーニングとオムツ。我が家の方法。
プーちゃんの過去
プーちゃんは4歳です。最初は「うちに来られて、なんてこの子は幸せなんだろう!」とおごった考えをしていました。
プーちゃんは、「おばあさんの声」「お経」「猫」に特別な反応を示します。もしかしたら、お経をあげるおばあさんと、猫がいるおうちにいたのかもしれません。ブリーダーさんですから、他にもたくさんの犬がいたことでしょう。プーちゃんはプーちゃんなりに、幸せな生活を送っていたかもしれないのです。
それが愛子の家に来たら、おばあさんはいない、猫も犬もいない。夜はひとりぼっち。(ハリネズミがいますが^^)新しい慣れない環境です。毎日、耳や歯の掃除をされる。時々お留守番。
プーちゃんにとって、少なからずストレスはあったのです。
最近になって、愛子はあることに気がつきました。「プーちゃんがしっぽを振っている!」しっぽを上向きにして、ブンブンしっぽを振っていたのです。
すぐに家に慣れたと思っていたのですが、プーちゃんはずっとしっぽを振っていなかったのです。そんなことにすら、愛子は気がつきませんでした。
3ヵ月たって、やっと普通の犬のようにしっぽを振ることができるようになったのです。
それと共に、急に抱っこもしなくなりました。抱っこ卒業です!無理に抱っこしても、すぐにモゾモゾして「下りたい」と意思表示するようになりました。こんな日が来るなんて!!( ;∀;)
保護犬の里親になるって、大変なことです。愛子は本当に考えが甘かった。里親になるということは、その子の今までの犬生をすべて受け入れるということです。
保護団体によっては「トライアル」といって、3週間ぐらいのお試し期間を設けているところがあります。これは、いい面も悪い面もあります。やっぱりダメだと思ったら、返すことができます。飼い主にとっても犬にとっても、その方がいい場合もあるでしょう。
でもプーちゃんがいた団体では、トライアルがありません。その理由は、「1ヵ月やそこらでは何もわからないから」です。人間だって、新しい環境に1ヵ月で慣れることはできません。例えば海外に留学したとして、1年たってやっと慣れた頃に帰国する、そんな感じではないでしょうか。
3ヵ月たって、プーちゃんはやっと少し落ち着いて、少し意思表示ができるようになりました。
愛子たち家族は、長い目で見守ることにしました。プーちゃんが生きてきた4年間は、確実にクーちゃんの体の中に刻まれている。うちに慣れるのに、「少なくても4年はかかる」そう、考えることにしました。
プーちゃんはうちに来てから、犬生をやり直しているように感じます。仔犬のように、抱っこしてもらい、抱っこを卒業して。
保護犬でなくても、仔犬も、ピーピー鳴いたり、おもらししたり、ご飯をたべなかったり、大変なこともあるようですね。
正直、3ヵ月たってやっとプーちゃんのことを、心から「かわいい」と思えるようになりました。愛おしいと言ってもいいです。プーちゃんと心の絆が結ばれた。家族になった。ちょっと大げさですか?
今、「プーちゃんを返さなくてよかった」と思います。
次回は、プーちゃんのお散歩のお話の予定です。お楽しみに!
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(この記事はブログ「そこにいるだけでいい」で2017/11/21に書かれたものです。リライトし、この新ブログに移動しました。)