保護犬を譲り受けてから1年がたちました。
先日とあるペットショップ店員から、思ってもいなかったことを言われ、衝撃を受けました。
うちのプーちゃんは、元保護犬です。ブリーダーのところでお産を2回した、繁殖用の母犬でした。繁殖犬を引退し、保護団体に保護されました。
プーちゃんがいた保護団体は、そういう子が多いです。いわゆる迷子の雑種とかは、ほぼいません。ほとんどが、血統書こそないものの、○○犬という、ペットショップで高値で売られている種類の犬です。
先日新しいペットショップがオープンしたので、偵察に行ってみました。もちろん、ペットショップで犬を買う気はありません。
何か月ぐらいの子犬が売られているのか(親犬と引き離されるのが早すぎないか)、いくらぐらいで売られているのか、回転率がいいか(ペットショップで犬を買う人が多いかどうか)などを見るためです。
と偉そうなことを言いつつ、やっぱり子犬はかわいいですよね。偵察しつつ、癒されてもいます。でも最近は「やっぱりうちのクーちゃんが一番かわいい♡」と思って帰ります。(☜親バカ)
そのペットショップは、一歩入った瞬間から他のペットショップとはちょっと違う感じがしました。
まず臭かった。今どき、臭いペットショップってあんまりないですよね。まあ、動物がいるのだから、臭くても仕方がないことではあります。
それから、上下2段のガラスケースの上段には子犬が何匹かいるのですが、下段にはいませんでした。
すぐに、男の店員さんが出てきました。いろいろ話を聞くと、上段には普通のペットショップと同じような子犬が売られているとのことでした。
下段には、本当は保護犬が入っているはずでした。しかし、保護犬は見世物になってしまうので、二階にいるとその店員さんは言いました。見世物?どういう意味だろう?
こちらのお店では、一般的な子犬が売れたお金で、保護犬を保護し譲渡している。保護犬の譲渡には費用はかからないのですが、その後、ずっとそこのお店でトリミングをしなければならないとのこと。もしかしたら、餌もずっと買ってくださいと言っていたかもしれません。
そのシステムは、とても素敵なことのように聞こえました。でも・・・
「うちにも保護犬がいるんですよ。2回お産をしたリタイア犬で、ブリーダーのところから保護された子なんです。」と私が言いました。するとその店員さんは、こう言ったのです。
「そういうリタイア犬をブリーダーからもらう人がいるから、またブリーダーが調子にのって、新しい犬に子犬をどんどん産ませることになるんだ。」
私は、頭をハンマーで殴られたような衝撃を受けました。
ここでいう「ブリーダー」とは、営利目的の悪徳ブリーダーです。
私はプーちゃんをもらってきて、ずっと「これでひとつの命を助けることができた」と、良いことしたつもりでいました。それを否定された。私のしたことは、またあらたなかわいそうな犬をつくることになってしまっていたのか・・・!?
さらに「私は犬を自分でシャンプーやトリミングをしている」と言うと、その店員さんは、すーっとレジへ戻って、まるで私などいないかのように仕事を始めたのです。
一般の犬を買う気がない、保護犬を引き取ってもトリミングにも来ることがない、そんな客に用はないわけです。
なんだか、私はとっても寂しい気持ちになって店を出ました。
その店員さんの言っていることは、正しいのだと思います。
ペットショップで子犬を買う人がいる限り、営利目的の悪徳ブリーダーは存在し続けるであろう。
しかしまた、その子犬を産んだ親犬をもらう人がいる限り、営利目的の悪徳ブリーダーはまた母犬をつくりだし、売るための子犬を産ませるだろう。
私は、ペットショップで犬を買うことだけを否定的な目で見ていたけれど、自分がしたこともまた悪徳ブリーダーを増長させる手助けとなっていた・・・。
そうは、考えたくはありません。リタイア犬を殺処分されていたことや、犬の引き取り屋に引き取られて劣悪な環境下に置かれることを思えば、そこからは助けることができたことは確かなのです。
でも私のしたことは、もしかしたら間違っていたのかもしれない。
やはり犬を飼いたい人は、きちんとしたブリーダーさんから譲ってもらうべきなのかもしれません。その子犬が育った環境や、お父さん犬やお母さん犬も見せてくれる、無理なお産をさせていない、その犬の純血種を守るためにブリーダーをやっている。本当に犬が好きでブリーダーをやっている。そんなブリーダーさんをみつけてください。
もちろん、迷い犬や、飼い主がどうしても飼えなくなってしまったワンコを飼うことが、かわいそうなワンコを1匹でも救うことができる、もっともよい手段なのだと思います。